こんにちは。最近東京では冷たい雨の日も多いのですが、着実に春は近づいています。
先日たまたま立ち寄った芝公園で梅のお花見をしてきました。
写真を撮っている方に声を掛けましたら、
その方のおすすめは府中市郷土の森博物館だそうです。
皆さんの近くの梅の名所はどこですか?
今月のラインナップ
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特集:映画の中の美術
新入荷作品:栄之 「青楼美人六花仙 松葉屋喜瀬川」ほか
この展覧会に行ってみたい!:大江戸の人気者「写楽と豊国 ~役者絵と美人画の流れ~展」
今月の役者絵:豊国Ⅲ (国貞) 市村座見立建前祝ノ図
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さて、今月の特集は美術ではなく、「映画」です。
最近、美術に関する映画が多くありませんか?ちょっと思いつくだけでも、
ティム=バートン監督の実話の映画化「ビック・アイズ」、
ジョニー=デップ主演の「チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密」
この週末から「ヴァチカン美術館 天国への入り口」が公開されたばかりで、
初夏にはイギリスを代表する風景画家、ターナーの映画「ターナー、光に愛を求めて」が公開されるそうです。
そんな中、週末に「みんなのアムステルダム美術館へ」という映画を観て来ました。
オランダのアムステルダム美術館といえば、
レンブラントの「夜警」やフェルメールの「手紙を読む青衣の女」で有名ですが、
改修で10年も!閉館していたことをご存知でしたか?
もちろん、もともと10年もかかるはずはなく、その間にさまざまな対立、紆余曲折があって遅れてしまったわけですが、
その間の涙と笑いのドキュメンタリーなのです。
まず、オランダだなーと思ったのが、美術館を突っ切る自転車用の通路をどうするかで市民団体と大もめ。
度重なる工事中断に館長は辞任、内装会社とも壁の色ですったもんだ、と次から次へとドラマのような真実が描き出されます。
登場人物(本人)もキャラ立ちしている人ばかり!もちろん、作品修復の様子やサザビーでのセリ(結果、落札できたかは映画を見てのお楽しみ)など、
真面目?な場面もでてきます。
そして、日本美術のエピソードも。
今回の再オープンの目玉展示のひとつは二体の仁王像。京都・大覚寺の僧侶による開眼式も執り行われました。
この仁王像のフィギアも美術館にあるのです。https://www.rijksmuseum.nl/webwinkel/replicas/Beelden/Temple-Guardian-Ungyo?id=13883&lang=en
さらに、日本美術を愛してやまない担当学芸員、メンノ・フィツキさんの姿もほほえましいです。
ちなみにフィツキさんと日本の出会いは「俳句」だったそう。
ただの美術館のドキュメンタリーではなく、オランダの国民性と文化がわかる作品。
エンターテイメントにもなっているのでご興味ある方はぜひ、映画館へ。
映画「みんなのアムステルダム美術館へ」
http://amsmuseum.jp/
■ 新入荷作品 ■
栄之 「青楼美人六花仙 松葉屋喜瀬川」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-017/Eishi/The-Courtesan-Kisegawa-of-Matsubaya
北斎 「百人一首うばがえとき 三条院」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-051/Hokusai/Hyakunin-Isshu-Uba-ga-Etoki--Sanjoin
広重 「名所江戸百景 京橋竹がし」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-063/Hiroshige/One-Hundred-Famous-Views-of-Edo--Bamboo-Quay-by-Kyobashi-Bridge
広重 「名所江戸百景 昌平橋聖堂神田川」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-065/Hiroshige/One-Hundred-Famous-Views-of-Edo--Shohei-Bridge--Seido-Temple-and-Kanda-River
国芳 「横浜本町之図」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-027/Kuniyoshi/Honcho-in-Yokohama
国芳 「四代目市川小団次のお岩ぼうこん」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-040/Kuniyoshi/The-Spirit-of-Oiwa
井上安治 「新吉原夜桜景」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-89-452/Inoue-Yasuji/Cherry-Blossoms-at-Night-in-Shin-Yoshiwara
このほかにも新着作品多数ございます。
■この展覧会に行ってみたい!■
三鷹市美術ギャラリー
大江戸の人気者「写楽と豊国 ~役者絵と美人画の流れ~展」
開催中~3/15(日)
http://mitaka.jpn.org/ticket/gallery/
なんといっても、写楽の大首役者絵が何点も展示されるのが話題ですが、
個人的に初代豊国の「三世沢村宗十郎の大星由良之助」が楽しみです。
■ 今月の役者絵 ■
秋華洞は歌舞伎座から一番近い浮世絵商。
役者絵の在庫の中からおすすめの役者絵をピックアップしてご紹介します。
豊国Ⅲ (国貞) 「市村座見立建前祝ノ図」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-057/Toyokuni-III-(Kunisada)/Yakusha-e
歌舞伎役者といえば、江戸の大スター。その歌舞伎役者たちの見立絵です。
市村座は幕府公認の江戸三座のうちのひとつ。
怪談もので有名な市川小団次、市村羽左ェ門(のちの五代尾上菊五郎)らが描かれています。
【編集後記】
今回は美術の「映画」がテーマでしたが、私のお勧めはちょっと古いのですが、フランスの画家、モディリアーニを描いた「モンパルナスの灯」です。モディリアーニの死後、作品を買いあさる画商役のリノ=ヴァンチュラの不気味さ、妻のジャンヌを演じるアヌーク=エーメの美しさも素晴らしいのですが、ひと目でモディリアーニ役のジェラール=フィリップのファンになってしまいました。ジェラール=フィリップは夭折しており、観る事ができる作品が限られていることを知って、とても残念に思った記憶があります。
秋華洞 浮世絵担当 山田亜紀子
先日たまたま立ち寄った芝公園で梅のお花見をしてきました。
写真を撮っている方に声を掛けましたら、
その方のおすすめは府中市郷土の森博物館だそうです。
皆さんの近くの梅の名所はどこですか?
今月のラインナップ
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特集:映画の中の美術
新入荷作品:栄之 「青楼美人六花仙 松葉屋喜瀬川」ほか
この展覧会に行ってみたい!:大江戸の人気者「写楽と豊国 ~役者絵と美人画の流れ~展」
今月の役者絵:豊国Ⅲ (国貞) 市村座見立建前祝ノ図
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さて、今月の特集は美術ではなく、「映画」です。
最近、美術に関する映画が多くありませんか?ちょっと思いつくだけでも、
ティム=バートン監督の実話の映画化「ビック・アイズ」、
ジョニー=デップ主演の「チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密」
この週末から「ヴァチカン美術館 天国への入り口」が公開されたばかりで、
初夏にはイギリスを代表する風景画家、ターナーの映画「ターナー、光に愛を求めて」が公開されるそうです。
そんな中、週末に「みんなのアムステルダム美術館へ」という映画を観て来ました。
オランダのアムステルダム美術館といえば、
レンブラントの「夜警」やフェルメールの「手紙を読む青衣の女」で有名ですが、
改修で10年も!閉館していたことをご存知でしたか?
もちろん、もともと10年もかかるはずはなく、その間にさまざまな対立、紆余曲折があって遅れてしまったわけですが、
その間の涙と笑いのドキュメンタリーなのです。
まず、オランダだなーと思ったのが、美術館を突っ切る自転車用の通路をどうするかで市民団体と大もめ。
度重なる工事中断に館長は辞任、内装会社とも壁の色ですったもんだ、と次から次へとドラマのような真実が描き出されます。
登場人物(本人)もキャラ立ちしている人ばかり!もちろん、作品修復の様子やサザビーでのセリ(結果、落札できたかは映画を見てのお楽しみ)など、
真面目?な場面もでてきます。
そして、日本美術のエピソードも。
今回の再オープンの目玉展示のひとつは二体の仁王像。京都・大覚寺の僧侶による開眼式も執り行われました。
この仁王像のフィギアも美術館にあるのです。https://www.rijksmuseum.nl/webwinkel/replicas/Beelden/Temple-Guardian-Ungyo?id=13883&lang=en
さらに、日本美術を愛してやまない担当学芸員、メンノ・フィツキさんの姿もほほえましいです。
ちなみにフィツキさんと日本の出会いは「俳句」だったそう。
ただの美術館のドキュメンタリーではなく、オランダの国民性と文化がわかる作品。
エンターテイメントにもなっているのでご興味ある方はぜひ、映画館へ。
映画「みんなのアムステルダム美術館へ」
http://amsmuseum.jp/
■ 新入荷作品 ■
栄之 「青楼美人六花仙 松葉屋喜瀬川」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-017/Eishi/The-Courtesan-Kisegawa-of-Matsubaya
北斎 「百人一首うばがえとき 三条院」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-051/Hokusai/Hyakunin-Isshu-Uba-ga-Etoki--Sanjoin
広重 「名所江戸百景 京橋竹がし」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-063/Hiroshige/One-Hundred-Famous-Views-of-Edo--Bamboo-Quay-by-Kyobashi-Bridge
広重 「名所江戸百景 昌平橋聖堂神田川」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-065/Hiroshige/One-Hundred-Famous-Views-of-Edo--Shohei-Bridge--Seido-Temple-and-Kanda-River
国芳 「横浜本町之図」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-027/Kuniyoshi/Honcho-in-Yokohama
国芳 「四代目市川小団次のお岩ぼうこん」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-040/Kuniyoshi/The-Spirit-of-Oiwa
井上安治 「新吉原夜桜景」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-89-452/Inoue-Yasuji/Cherry-Blossoms-at-Night-in-Shin-Yoshiwara
このほかにも新着作品多数ございます。
■この展覧会に行ってみたい!■
三鷹市美術ギャラリー
大江戸の人気者「写楽と豊国 ~役者絵と美人画の流れ~展」
開催中~3/15(日)
http://mitaka.jpn.org/ticket/gallery/
なんといっても、写楽の大首役者絵が何点も展示されるのが話題ですが、
個人的に初代豊国の「三世沢村宗十郎の大星由良之助」が楽しみです。
■ 今月の役者絵 ■
秋華洞は歌舞伎座から一番近い浮世絵商。
役者絵の在庫の中からおすすめの役者絵をピックアップしてご紹介します。
豊国Ⅲ (国貞) 「市村座見立建前祝ノ図」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-057/Toyokuni-III-(Kunisada)/Yakusha-e
歌舞伎役者といえば、江戸の大スター。その歌舞伎役者たちの見立絵です。
市村座は幕府公認の江戸三座のうちのひとつ。
怪談もので有名な市川小団次、市村羽左ェ門(のちの五代尾上菊五郎)らが描かれています。
【編集後記】
今回は美術の「映画」がテーマでしたが、私のお勧めはちょっと古いのですが、フランスの画家、モディリアーニを描いた「モンパルナスの灯」です。モディリアーニの死後、作品を買いあさる画商役のリノ=ヴァンチュラの不気味さ、妻のジャンヌを演じるアヌーク=エーメの美しさも素晴らしいのですが、ひと目でモディリアーニ役のジェラール=フィリップのファンになってしまいました。ジェラール=フィリップは夭折しており、観る事ができる作品が限られていることを知って、とても残念に思った記憶があります。
秋華洞 浮世絵担当 山田亜紀子