没後100年を記念して小林清親の展覧会が練馬区美術館(5月17日で終了)と
太田記念美術館(今月28日まで)で開かれました。
それぞれの違った角度から清親の作品に迫っており、興味深い内容でした。
練馬区美術館の展覧会は画業の全貌に迫る内容。
光線画から戦争画、社会風刺画、肉筆画と280点余りが出品されました。
また、20数年ぶりに写生帖が出品され、注目を集めました。
太田記念美術館では「広重と清親」と題した特別展です。
「明治の広重」をいわれた清親。
こちらは同じ場所を描いたそれぞれの作品を比較展示しています。
小林清親の代表作といえば、文明開化で急激な変貌を遂げる東京を
明治9年から14年まで5年間で全93景描かれた風景版画、「東京名所図」です。
その光と影を駆使した独特の画風は「光線画」ともいわれています。
小林清親「九段坂五月夜」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-88-133/Kobayashi-Kiyochika/Kudanzaka
当時の九段坂のシンボル、常夜燈が主役の作品です。
藍色のカーブを描いたぼかしで表現された雲と光。
浮世絵のように雨を墨線で表現していませんが、傘や足早に急ぐ人々の様子で降り注ぐ雨を感じます。
この常夜燈は現在当初の場所とは反対側に移されています。
こちらは労働者の日常を光線画の手法を駆使して描いた作品。
川口は鋳物産業が盛んな地域です。描いているのはごく日常的な手工業の町工場。
燃え盛る炎や火花、それに照らされた労働者の顔。
光の表現を駆使しながら人々の生きる姿を浮かび上がらせています。
小林清親 「川口鍋釜製造図」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-89-280-01/Kobayashi-Kiyochika/Factory-of-Manufacturing-Pots-in-Kawaguchi-
そのほか、清親は戦争画も多く手掛けています。
その独特の表現からくる美しさゆえに、迫ってくる悲しみや無常さを感じます。
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-89-313/Kobayashi-Kiyochika/Single-handedly-opening-the-Hyonmu-Gate-under-a-hail-of-bullets
最後はほのぼのとした作品をご紹介。
小林清親 向島桜
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-89-455/Kobayashi-Kiyochika/Cherry-blossoms-of-Mukojima
東京名所図の中の1作です。ざん切り頭の男性がおどけているのを女性らがほほえましく見ています。
桜の下には「はじけ豆」を売る露天商の男性。
輪郭をはぶき、ふんわりと描いた桜と、鮮やかな着物と人物の影のコントラストが絶妙です。みているだけで、花見の賑わいが伝わってきます。
このほか風刺画や数多くの掛軸も手がけており、さまざまな顔を持つ清親の作品。これを気に注目してみてはいかがでしょう。
■ 新入荷作品 ■
広重 五十三次名所図会 日本橋 東雲の景
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-104-01/Hiroshige/Famous-Sights-of-the-Fifty-three-Stations--Nihombashi
広重 忠臣蔵
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-142/Hiroshige/Chushingura
広重 名所江戸百景 増上寺塔赤羽根
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-038/Hiroshige/One-Hundred-Famous-Views-of-Edo--The-Pagoda-of-Zojoji-Temple-at-Akabane
芳年 新形三十六怪撰 清玄の霊桜姫を慕ふの図
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-143/Yoshitoshi/New-Forms-of-Thirty-six-Ghosts--Ghost-of-Seigen-Longing-for-Sakurahime
広重「東海道五十三次之内 奥津」
川瀬巴水「伊豆堂ヶ島」ほか
清親「両国大火」、「武蔵百景之内」「「両国大火浅草橋」など、
以上は新入荷作品の一部です。
また、お探しの作品がございましたら、遠慮なくご連絡ください。
■ 今月の役者絵 ■
秋華洞は歌舞伎座から一番近い浮世絵商。
役者絵の在庫の中からおすすめの役者絵をピックアップしてご紹介します。
国政 Ⅳ (国貞Ⅲ) 「神明恵和合取組」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-139/Kunimasa-IV-(KunisadaIII)/Yakusha-e
歌舞伎の人気演目、め組の喧嘩です。歌舞伎座5月の夜の演目。
鳶と力士の大立廻りが見せ場ですよね。火事と喧嘩は江戸の華という言葉通り、江戸情緒にあふれた演目です。
【編集後記】
気候もよくなって、旅行に最適なシーズンになったことと、
円安の影響もあってか、外国人のお客様がギャラリーに立ち寄られることも多くなってきました。どうやって秋華洞を知ったのですか?とお聞きすると、
「浮世絵サイトを検索して。」と答えられる方が多いです。
ご利用いただいて本当にうれしいです。
どうぞ日本の皆さんも、浮世絵サイトをこれからもよろしくお願いします。
秋華洞 浮世絵担当 山田亜紀子
************************************
浮世絵ぎゃらりい秋華洞
http://jp.japanese-finearts.com/
株式会社秋華洞
東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル7F
TEL 03-3569-3620 FAX 03-3569-3621
E-mail info@syukado.jp
営業時間
平日 10:00~18:00
日・祝 11:00~18:00
秋華洞スタッフブログ
http://www.aojc.co.jp/staff_blog/
*ぎゃらりい秋華洞(日本画のコンテンツ満載です)
http://www.syukado.jp
*Facebook
http://www.facebook.com/Shukado.Japan.Art
太田記念美術館(今月28日まで)で開かれました。
それぞれの違った角度から清親の作品に迫っており、興味深い内容でした。
練馬区美術館の展覧会は画業の全貌に迫る内容。
光線画から戦争画、社会風刺画、肉筆画と280点余りが出品されました。
また、20数年ぶりに写生帖が出品され、注目を集めました。
太田記念美術館では「広重と清親」と題した特別展です。
「明治の広重」をいわれた清親。
こちらは同じ場所を描いたそれぞれの作品を比較展示しています。
小林清親の代表作といえば、文明開化で急激な変貌を遂げる東京を
明治9年から14年まで5年間で全93景描かれた風景版画、「東京名所図」です。
その光と影を駆使した独特の画風は「光線画」ともいわれています。
小林清親「九段坂五月夜」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-88-133/Kobayashi-Kiyochika/Kudanzaka
当時の九段坂のシンボル、常夜燈が主役の作品です。
藍色のカーブを描いたぼかしで表現された雲と光。
浮世絵のように雨を墨線で表現していませんが、傘や足早に急ぐ人々の様子で降り注ぐ雨を感じます。
この常夜燈は現在当初の場所とは反対側に移されています。
こちらは労働者の日常を光線画の手法を駆使して描いた作品。
川口は鋳物産業が盛んな地域です。描いているのはごく日常的な手工業の町工場。
燃え盛る炎や火花、それに照らされた労働者の顔。
光の表現を駆使しながら人々の生きる姿を浮かび上がらせています。
小林清親 「川口鍋釜製造図」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-89-280-01/Kobayashi-Kiyochika/Factory-of-Manufacturing-Pots-in-Kawaguchi-
そのほか、清親は戦争画も多く手掛けています。
その独特の表現からくる美しさゆえに、迫ってくる悲しみや無常さを感じます。
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-89-313/Kobayashi-Kiyochika/Single-handedly-opening-the-Hyonmu-Gate-under-a-hail-of-bullets
最後はほのぼのとした作品をご紹介。
小林清親 向島桜
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-89-455/Kobayashi-Kiyochika/Cherry-blossoms-of-Mukojima
東京名所図の中の1作です。ざん切り頭の男性がおどけているのを女性らがほほえましく見ています。
桜の下には「はじけ豆」を売る露天商の男性。
輪郭をはぶき、ふんわりと描いた桜と、鮮やかな着物と人物の影のコントラストが絶妙です。みているだけで、花見の賑わいが伝わってきます。
このほか風刺画や数多くの掛軸も手がけており、さまざまな顔を持つ清親の作品。これを気に注目してみてはいかがでしょう。
■ 新入荷作品 ■
広重 五十三次名所図会 日本橋 東雲の景
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-104-01/Hiroshige/Famous-Sights-of-the-Fifty-three-Stations--Nihombashi
広重 忠臣蔵
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-142/Hiroshige/Chushingura
広重 名所江戸百景 増上寺塔赤羽根
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-038/Hiroshige/One-Hundred-Famous-Views-of-Edo--The-Pagoda-of-Zojoji-Temple-at-Akabane
芳年 新形三十六怪撰 清玄の霊桜姫を慕ふの図
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-143/Yoshitoshi/New-Forms-of-Thirty-six-Ghosts--Ghost-of-Seigen-Longing-for-Sakurahime
広重「東海道五十三次之内 奥津」
川瀬巴水「伊豆堂ヶ島」ほか
清親「両国大火」、「武蔵百景之内」「「両国大火浅草橋」など、
以上は新入荷作品の一部です。
また、お探しの作品がございましたら、遠慮なくご連絡ください。
■ 今月の役者絵 ■
秋華洞は歌舞伎座から一番近い浮世絵商。
役者絵の在庫の中からおすすめの役者絵をピックアップしてご紹介します。
国政 Ⅳ (国貞Ⅲ) 「神明恵和合取組」
http://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-90-139/Kunimasa-IV-(KunisadaIII)/Yakusha-e
歌舞伎の人気演目、め組の喧嘩です。歌舞伎座5月の夜の演目。
鳶と力士の大立廻りが見せ場ですよね。火事と喧嘩は江戸の華という言葉通り、江戸情緒にあふれた演目です。
【編集後記】
気候もよくなって、旅行に最適なシーズンになったことと、
円安の影響もあってか、外国人のお客様がギャラリーに立ち寄られることも多くなってきました。どうやって秋華洞を知ったのですか?とお聞きすると、
「浮世絵サイトを検索して。」と答えられる方が多いです。
ご利用いただいて本当にうれしいです。
どうぞ日本の皆さんも、浮世絵サイトをこれからもよろしくお願いします。
秋華洞 浮世絵担当 山田亜紀子
************************************
浮世絵ぎゃらりい秋華洞
http://jp.japanese-finearts.com/
株式会社秋華洞
東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル7F
TEL 03-3569-3620 FAX 03-3569-3621
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平日 10:00~18:00
日・祝 11:00~18:00
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